FPの使命

FPという仕事を知ったのは、サラリーマンをしながらアパート経営を始めようとしている頃でした。夫が子供たちに遺してくれた保険金でアパートを買い、家賃収入を教育費に充てようと考えていました。
しかし、今まで自宅を何度も住み替えて、購入や買替や住宅ローンを色々な金融機関で借りてきたものの、賃貸経営となると全く違う知識が必要でした。誰かに相談に乗ってもらいたかったけれど、一番の相談相手だった夫はもういないし、途方にくれました。
書店で関係の書籍を物色しているときにFPという資格を目にしました。とりあえず3級の問題集を手に取ってみると、主婦として母として消費者として、ほとんど経験している内容でした。そこで受けてみたら受かってしまいました。そしてFPに相談すればよかったのかと思い至りました。それなら自分がFPになろうと、もっと面鏡してCFP資格をとりました。
この時学んだことは、自分が困って相談したかったことが網羅されていました。それは他の人も知らずに困ったり、損したりしていることでした。これはみんなに広めねば、という強い使命感で2足の草鞋の週末FPになったのです。まだ会社を辞めることはできませんでした。
そして、子どもたちが3人とも社会人になり教育費を払い終えて、FPとして独立しました。このときもまだ生活のベースは遺族年金と家賃収入でした。この間FPとしての生き方を固めてきました。
独立FPはひも付きになってはいけないというのが強く思っていることです。つまり、保険や金融商品を売ってコミッションを得ることを目的に、顧客に提案をしてはいけない。コミッションが高い方の商品に誘導したくなるのは、お金好きのFPには有りがちな事ですから。そして、中立ではなく、顧客サイドに立っていなければならない。顧客とともに、幸せをひき寄せるべく、同じ方を向いて力を合わせるのがFPだと信じています。時には後ろに回って背中を押すことも有りますが、見ている方向は一緒です。
FPの仕事は、売っておしまいという物売りではありません。例えばライフプランの分析をし、夢の実現のための提案をしたら、提案が実行されるまで見守るのがFPです。例えば資産運用の提案をしても、実際に資金を動かして投資を実行するのは顧客です。しかし、ほとんどの方が行動を起こすことが出来ません。これでは頂いた相談料が全くの無駄になってしまいます。そうさせないように、実行の支援までしていくのがFPだと思っています。時間がかかっても1歩を踏み出せるように、場合によっては金融機関や不動産業者に同行して、顧客が安心して業者と話ができるように見守ったり、助言したりします。
他にFPの仕事として大切だと思っているのが、啓蒙活動です。具体的には、セミナーやコラムの執筆、出版などです。一人のFPが一人の顧客に対してしていることは、他の同じようなお悩みを抱えている方には届きません。昔の私の様に、困っているのに誰に相談したらよいのかわからない人も沢山いらっしゃると思います。そんな方たちの目に触れるようなところで、話したり書いたりすること。そして、何処に情報があるのかを知らせて、一人でも多く迷子になっている人を救う事がFPの仕事であり、使命だと思っています。